化学変化とその量的関係
 化学反応式
反応する物質(反応物)と生成する物質(生成物)との関係を、化学式を用いて表したものを、化学反応式、または単に反応式といいます。

化学反応式は、次のようにしてつくります。


(例)@塩化ナトリウムの生成
   ○Na+○Cl2→○NaCl
   ○に入る係数を求めるには、Aにあるように、「両辺で同じ種類の原子の数が
   等しくなるように係数を決める」にしたがって、係数を求める。
   ⇒2Na+Cl2→2NaCl
A酸化マグネシウムの生成
   ○Mg+○O2→○MgO
   ⇒2Mg+O2→2MgO

未定係数法については、教科書を見てください。割愛させていただきます。

イオンが関係する反応において、反応しないイオン(酸化数が変わらない:詳しくは酸化還元反応で)を省略した化学反応式をイオン反応式といいます。
(例)過酸化水素とヨウ化カリウムの反応
   (化学反応式)
     2KI+H22+H2SO4→I2+2H2O+K2SO4
   (反応しないイオンを消去)
     2I-2K++H22+2H+SO42-→I2+2H2O+2K+SO42-
   (イオン反応式)
     2I-+H22+2H+→I2+2H2

B 化学変化の量的関係
化学反応式から、質量の関係や、気体の場合の体積の関係も知ることができます。
(例)窒素N2が1mol反応したときの反応
             N2     +    3H2     →     2NH3
物質量        1mol         3mol            2mol

分子量      6×1023個    3×6×1023個     2×6×1023

気体の体積     22.4l        3×22.4l         2×22.4l

質量          28g          3×2g          2×17g

このとき、窒素、水素、アンモニアの間では、比例関係が成り立つ。

(例題)ブタンC410を5.8g完全燃焼させるとき、
   (1) 二酸化炭素は標準状態で何l得られるか。
   (2) 水は何g得られるか。
   ただし、原子量はH=1、C=12、O=16とする。
   (1)
     問題文より、
     C410+O2→CO2+H2O
     一番複雑そうなC410の係数を1とおくと、
     1C410+13/2O2→4CO2+5H2O
     両辺を2倍して、
     2C410+13O2→8CO2+10H2O

     完成した化学反応式からブタンと二酸化炭素の関係を考えると、
     2C410:8CO2=2mol:8mol
     ここで、molに含まれる各量の比例関係から、gとlの関係に直すと、
     2C410:8CO2=2mol:8mol=2×58:8×22.4=5.8:x
     これを解いて、x=8.96≒9.0l

   (2)
     2C410:10H2O=2mol:10mol
     gとgの関係に直すと、
     2C410:10H2O=1mol:5mol=58:5×18=5.8:x
     これを解いて、x=9.0g

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