酸化還元反応
Point1 酸化還元は酸化数に注目!
Point2酸化数の求め方
酸化数を求めるには、基準となる数値を暗記する必要があります。太字のところは覚えましょう。
○酸化数の求め方
@単体のままの状態における酸化数は0である。
A化合物中に含まれる酸素原子の酸化数は−2である。
(ただしH2O2などの過酸化物の時は例外で、このときは−1となる。同様に金属の水素化物 NaH など、この場合は水素が−1価)
B化合物中に含まれる水素原子の酸化数は+1である。
C化合物中に含まれる各原子の酸化数を総和した値は0である。
Dイオンに含まれる各原子の酸化数を総和した値はイオンの価数に等しい。
E化合物中に含まれるアルカリ金属、アルカリ土類金属の酸化数は、それぞれ +1、+2である。
F酸化数を示す( )は原子1個分の酸化数であることに注意する。
酸化・還元を扱うとき、酸化数を用いると大変便利である。
●酸化剤・還元剤
@酸化剤は反応相手を酸化して、自身は還元される。
A還元剤は反応相手を還元して、自身は酸化される。
これらを読んだだけではよくわからないと思います。そこで早速実践です。
次の物質の下線をつけた原子の酸化数を求めよ。
@H2S
上記Bより、化合物中の水素原子の酸化数は+1なので、H=+1,S=xとおくと、
(+1)×2+x=0(∵上記Cより化合物中の酸化数の総和は0だから)
∴x=S=−2
ASO2
上記Aより、化合物中の酸素原子の酸化数は−2なので、S=x,O=-2とおくと、
x+(−2)×2=0 ∴x=+4
BCuSO4
副読本P3にあるのですが、金属の単原子イオンでCu=+2価であると分かります。そこで、Cu=+2、 S=x、O=−2とおくと、
+2+x+(−2)×4=0 ∴x=+6
C[Cu(NH3)4]2+
上記Cより、各原子の酸化数の総和は0なので、Cu=x,NH3=0とおくと、
x+0×4=+2 ∴x=+2
DNO3-
N=x,O=-2とおくと、x+(−2)×3=−1 ∴x=+5
EKClO3
Kはアルカリ金属で上記Eより、化合物中のアルカリ金属の酸化数は+1なので、K=+1,Cl=x,O=-2とおくと、 (+1)+x+(-2)×3=0 ∴x=+5
FO2
上記@より、単体の酸化数は0なので、O=0
GAl3+
Al=xとおく ∴x=+3
HMnCl2
Clが右端にあるときはClの酸化数を−1とします。右端にあるときのClは必ずCl-と結合しているからです。 Mn=x,Cl=-1とおくと、x+(-1)×2=0 ∴x=+2
Point3酸化剤と還元剤
酸化剤
還元剤
Point4酸化力・還元力
弱い酸化剤は強い酸化剤相手だと酸化されてしまう。
ハロゲンの酸化力
F2>Cl2>Br2>I2
単体金属の還元力
Na>Mg>Zn>Fe>Cu
また、上記の表の黄色い枠の字の物質は本来酸化剤・還元剤に分類されているが相手によって変化する事のある物質である。
|
酸化 | 還元 |
酸素を中心に考えて | 酸素と化合する | 酸素を失う |
水素を中心に考えて | 水素を失う | 水素と化合する |
電子を中心に考えて | 電子を失う(与える) | 電子を得る(受け取る) |
酸化数を中心に考えて | 増加する | 減少する |
Point2
酸化数を求めるには、基準となる数値を暗記する必要があります。太字のところは覚えましょう。
○酸化数の求め方
@単体のままの状態における酸化数は0である。
A化合物中に含まれる酸素原子の酸化数は−2である。
(ただしH2O2などの過酸化物の時は例外で、このときは−1となる。同様に金属の水素化物 NaH など、この場合は水素が−1価)
B化合物中に含まれる水素原子の酸化数は+1である。
C化合物中に含まれる各原子の酸化数を総和した値は0である。
Dイオンに含まれる各原子の酸化数を総和した値はイオンの価数に等しい。
E化合物中に含まれるアルカリ金属、アルカリ土類金属の酸化数は、それぞれ +1、+2である。
F酸化数を示す( )は原子1個分の酸化数であることに注意する。
酸化・還元を扱うとき、酸化数を用いると大変便利である。
●酸化剤・還元剤
@酸化剤は反応相手を酸化して、自身は還元される。
A還元剤は反応相手を還元して、自身は酸化される。
これらを読んだだけではよくわからないと思います。そこで早速実践です。
次の物質の下線をつけた原子の酸化数を求めよ。
@H2S
上記Bより、化合物中の水素原子の酸化数は+1なので、H=+1,S=xとおくと、
(+1)×2+x=0(∵上記Cより化合物中の酸化数の総和は0だから)
∴x=S=−2
ASO2
上記Aより、化合物中の酸素原子の酸化数は−2なので、S=x,O=-2とおくと、
x+(−2)×2=0 ∴x=+4
BCuSO4
副読本P3にあるのですが、金属の単原子イオンでCu=+2価であると分かります。そこで、Cu=+2、 S=x、O=−2とおくと、
+2+x+(−2)×4=0 ∴x=+6
C[Cu(NH3)4]2+
上記Cより、各原子の酸化数の総和は0なので、Cu=x,NH3=0とおくと、
x+0×4=+2 ∴x=+2
DNO3-
N=x,O=-2とおくと、x+(−2)×3=−1 ∴x=+5
EKClO3
Kはアルカリ金属で上記Eより、化合物中のアルカリ金属の酸化数は+1なので、K=+1,Cl=x,O=-2とおくと、 (+1)+x+(-2)×3=0 ∴x=+5
FO2
上記@より、単体の酸化数は0なので、O=0
GAl3+
Al=xとおく ∴x=+3
HMnCl2
Clが右端にあるときはClの酸化数を−1とします。右端にあるときのClは必ずCl-と結合しているからです。 Mn=x,Cl=-1とおくと、x+(-1)×2=0 ∴x=+2
Point3
酸化剤
過マンガン酸イオン | MnO4-+8H++5e-→Mn2++4H2O | 過マンガン酸カリウム |
ニクロム酸イオン | Cr2O72-+14H++6e-→2Cr3++7H2O | ニクロム酸カリウム |
塩素 | Cl2+2e-→2Cl- | ハロゲン |
熱濃硫酸 | H2SO4+2H++2e-→SO2+2H2O | |
過酸化水素 | H2O2+2H++2e-→2H2O | 還元剤になる事もある |
酸化マンガン(W) | MnO2+4H++2e-→Mn2++2H2O | 塩素の発生で利用 |
オゾン | O3+2H++2e-→O2+H2O | |
濃硝酸 | HNO3+H++e-→NO2+H2O | NO2が発生 |
希硝酸 | HNO3+3H++3e-→NO+2H2O | NOが発生 |
二酸化硫黄 | SO2+4H++4e-→2H2O+S | 本来は還元剤 |
還元剤
硫化水素 | H2S→2H++S+2e- | 有毒ガスの還元剤 |
シュウ酸イオン | C2O42-→2CO2+2e- | シュウ酸ナトリウム;Na2C2O4 |
銅 | Cu→Cu2++2e- | 単体金属 |
鉄(U)イオン | Fe2+→Fe3++e- | |
二酸化硫黄 | SO2+2H2O→SO42-+4H++2e- | 酸化剤になるときもある |
スズ(U)イオン | Sn2+→Sn4++2e- | |
チオ硫酸イオン | 2S2O32-→S4O62-+2e- | 写真の現像に利用 |
水素 | H2→2H++2e- | |
過酸化水素 | H2O2→O2+2H++2e- | 本来は酸化剤 |
ヨウ素イオン | 2I-→I2+2e- | ハロゲンの陰イオン |
Point4
弱い酸化剤は強い酸化剤相手だと酸化されてしまう。
ハロゲンの酸化力
F2>Cl2>Br2>I2
単体金属の還元力
Na>Mg>Zn>Fe>Cu
また、上記の表の黄色い枠の字の物質は本来酸化剤・還元剤に分類されているが相手によって変化する事のある物質である。
br→
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