助動詞の種類と活用
1 助動詞とは?
助動詞の定義は「接続する語に種々の意味を添える働きをする、活用する付属語」です。
また、たまにある助動詞を「文法的に説明せよ」といった問題が出題される事があります。そういう時は、「品詞と意味と活用形」を答えなければいけません。
(例) 「花咲かず」の「ず」について文法的に説明せよ。
A.打ち消し(意味)の助動詞(品詞)「ず」の終止形(活用形)
という風に答えればOKです。意味については次から説明していきます。
2意味による分類で覚える
授業では歌で、接続による分類で覚えましたが、あれは助動詞の数を確認するのに利用しましょう。ここでは、意味による分類で覚えてください。
3覚えておくと良いこと
・過去の助動詞「き」は、自分の体験を話すときに使う助動詞なので、主語は一人称(私)となります。
・過去の助動詞「けり」は、他人の体験を話すときに使う助動詞なので、主語は二人称または三人称(他人)となります。
・尊敬の助動詞「る・らる」「す・さす・しむ」は。有ると主語は高貴な人、無いと主語は高貴でない人となります。
・推定の助動詞「めり」は、目に見えるものに対して推定するときに使います。
・推定の助動詞「らむ」は、目に見えないものに対して推定するときに使います。現在推量です。
・推量の助動詞「けむ」は「らむ」の過去バージョンとでも思って下さい。
・推定の助動詞「なり」は、聴覚に基づいた推定をするときに使います。
・「たり」「り」はまず存続で訳してみましょう。
「る・らる」の意味の判断法
4つの意味の違いは「る・らる」の前後に注目します。
(1)自発
前に「心情・知覚を表す語(思ふ・泣く等)」が出てきたら自発。
(2)可能
後ろに打消の「ず」等が出てきたらほとんど可能である。
(3)受身
「人に笑はる」って感じだったら受身。
(4)尊敬
「敬語の動詞(仰す等)」又は「官職名(帝・大納言等)」+[る・らる」だったら尊敬。
☆覚えよう
「つ・べし」「ぬ・べし」「て・む」「な・む」→強意
(「きっと〜だろう」「ぜひ〜しよう」と訳す)
「に+けり」「て+けり」→完了+過去
(「〜てしまった」と訳す)
「こそ〜め」「て+む」「な+む」→「む」が適当・勧誘の場合はこのパターンで出てくる事がほとんどです。
「む」の打消は「じ」、「む」を強めると「べし」になります。「べし」の打消は「まじ」です。
無変化「らし」の活用形の見分け方
係助詞「ぞ・なむ・や・か」があれば連体形
係助詞「こそ」があれば已然形
それ以外は終止形
打消「ず」について
連用形+ぬ・ね→完了 未然形+ぬ・ね→打消 で訳す。
助動詞の定義は「接続する語に種々の意味を添える働きをする、活用する付属語」です。
また、たまにある助動詞を「文法的に説明せよ」といった問題が出題される事があります。そういう時は、「品詞と意味と活用形」を答えなければいけません。
(例) 「花咲かず」の「ず」について文法的に説明せよ。
A.打ち消し(意味)の助動詞(品詞)「ず」の終止形(活用形)
という風に答えればOKです。意味については次から説明していきます。
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授業では歌で、接続による分類で覚えましたが、あれは助動詞の数を確認するのに利用しましょう。ここでは、意味による分類で覚えてください。
意味 | 助動詞 | 意味(口語訳) |
自発・可能 受身・尊敬 |
る・らる | 自発「(自然と)〜れる」「〜せずにはいられない」 可能「〜できる」 受身「〜れる」「〜られる」 尊敬「〜れる」「〜られる」「〜なさる」「お〜になる」 |
使役・尊敬 | す・さす・しむ | 使役「〜せる」「〜させる」 尊敬「お〜になる」「〜なさる」 |
打消 | ず | 打消「〜ない」 |
過去 | き けり |
過去(直接経験した過去(経験回想))「〜た」 過去(間接的に知った過去(伝聞回想))「〜た」「〜たそうだ」 詠嘆(「けり」のみ)「〜たなぁ」「〜ことよ」 |
完了 | つ・ぬ たり・り |
完了「〜た」「〜てしまった」 強意「きっと〜」「たしかに〜」 並列(「つ・ぬ」のみ)「〜たり〜たり」 完了「〜た」「〜てしまった」 存続「〜ている」「〜てある」 |
推量(未来) | む・むず | 推量「〜だろう」 意思「〜う」「〜よう」「〜つもりだ」 適当・勧誘「〜がよい」「〜てください」 仮定・婉曲「〜としたら」「〜ような」 |
推量(現在) | らむ | 現在推量「今頃は〜ているだろう」 伝聞・婉曲「〜という」「〜そうだ」「〜ような」 現在の原因推量「(なぜ)〜たのだろう」「〜からだったのだろう」 |
推量(過去) | けむ | 過去推量「〜ただろう」「〜たのだろう」 過去の伝聞・婉曲「〜たとかいう」「〜たような」 過去の原因推量「(なぜ)〜たのだろう」「〜からだったのだろう」 |
推量 | べし | 可能「〜ことができる」 意志「〜う」「〜よう」「〜つもりだ」 推量「〜だろう」「〜そうだ」「〜ようだ」 義務「〜なければならない」 当然「〜はずだ」 命令「〜せよ」 適当・勧誘「〜がよい」 |
推量 | まし | 反実仮想「もし〜としたら〜だろうに」 躊躇いの意志「〜しようかしら」 実現不可能な希望「できれば〜ならよかったのに」 |
推量 | らし | 推定「〜らしい」「〜に違いない」 |
推量 | めり | 推定「(見たところ)〜ようだ」「〜と見える」 婉曲「〜ようだ」「〜ように思われる」 |
伝聞・推定 | なり | 伝聞「〜そうだ」「〜という」 推定「(聞いたところ)〜ようだ」 |
打消推量 | じ | 打消推量「〜ないだろう」「〜まい」 打消意志「〜ないつもりだ」「〜まい」 |
打消推量 | まじ | 打消推量「〜ないだろう」「〜まい」 打消意志「〜ないつもりだ」「〜まい」 打消当然「〜はずがない」「〜ないに違いない」 不適当・禁止「〜ないのがよい」「〜てはならない」 不可能「〜できそうもない」 |
希望 | たし・まほし | 希望「〜たい」 |
断定 | なり たり |
断定「〜だ」「〜である」 所在・存在「〜にいる」「〜にある」 断定「〜だ」「〜である」 |
比況 | ごとし | 比況「(まるで)〜ようだ」 例示「(例えば)〜ような」「〜など」 |
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・過去の助動詞「き」は、自分の体験を話すときに使う助動詞なので、主語は一人称(私)となります。
・過去の助動詞「けり」は、他人の体験を話すときに使う助動詞なので、主語は二人称または三人称(他人)となります。
・尊敬の助動詞「る・らる」「す・さす・しむ」は。有ると主語は高貴な人、無いと主語は高貴でない人となります。
・推定の助動詞「めり」は、目に見えるものに対して推定するときに使います。
・推定の助動詞「らむ」は、目に見えないものに対して推定するときに使います。現在推量です。
・推量の助動詞「けむ」は「らむ」の過去バージョンとでも思って下さい。
・推定の助動詞「なり」は、聴覚に基づいた推定をするときに使います。
・「たり」「り」はまず存続で訳してみましょう。
「る・らる」の意味の判断法
4つの意味の違いは「る・らる」の前後に注目します。
(1)自発
前に「心情・知覚を表す語(思ふ・泣く等)」が出てきたら自発。
(2)可能
後ろに打消の「ず」等が出てきたらほとんど可能である。
(3)受身
「人に笑はる」って感じだったら受身。
(4)尊敬
「敬語の動詞(仰す等)」又は「官職名(帝・大納言等)」+[る・らる」だったら尊敬。
☆覚えよう
「つ・べし」「ぬ・べし」「て・む」「な・む」→強意
(「きっと〜だろう」「ぜひ〜しよう」と訳す)
「に+けり」「て+けり」→完了+過去
(「〜てしまった」と訳す)
「こそ〜め」「て+む」「な+む」→「む」が適当・勧誘の場合はこのパターンで出てくる事がほとんどです。
「む」の打消は「じ」、「む」を強めると「べし」になります。「べし」の打消は「まじ」です。
無変化「らし」の活用形の見分け方
係助詞「ぞ・なむ・や・か」があれば連体形
係助詞「こそ」があれば已然形
それ以外は終止形
打消「ず」について
連用形+ぬ・ね→完了 未然形+ぬ・ね→打消 で訳す。
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