古今和歌集
古今和歌集とは?
 最初の勅撰和歌集。平安前期、醍醐天皇の命を受けて紀貫之・紀友則・凡河内躬恒・壬生忠岑らが撰進。歌数は1100首。歌風は繊細で優美。

見わたせば 柳桜を こきまぜて 都ぞ春の 錦なりける   (素性)
(遠くを見渡すと青い柳や白い桜をごちゃまぜにして、都が春の錦のような美しさだったなぁ。)

さくら花 散りぬる風の なごりには 水なき空に 波ぞ立ちける   (紀貫之)
(地上で風が吹いて桜が散った。空ではその風がおさまった後も花びらが水面に残る余波のように空中をひらひらと舞い散っているのだなぁ。)

風吹けば 落つるもみぢ葉 水きよみ 散らぬかげさへ 底に見えつつ  
                                     (凡河内躬恒)

(風が吹くと落ちる紅葉、水が清らかなために、散らないものまで水底に映って見えている。)

冬ながら 空より花の 散りくるは 雲のあなたは 春にやあるらむ(清原深養父)
(冬だけれども、そらから花が散ってくるのは、きっと雲の向こうは春なのだな。)

春日野の 雪間をわけて 生ひ出でくる 草のはつかに 見えし君はも
                                       (壬生忠岑)

(春日野の雪間を分けて生えてくる草の合間にわずかに見えた君よ。)

うたた寝に 恋しき人を 見てしより 夢てふものは 頼みそめてき (小野小町)
(うたた寝の夢に恋しい人を見てしまったときから、夢というものを頼りにし始めてしまった。)

冬枯れの 野辺とわが身を 思ひせば もえてもはるを 待たましものを (伊勢)
(もしこの身が冬枯れの野辺であるなら、燃えても草が萌えて芽を出す春を待とうと思うのに。)

ほのぼのと あかしの浦の 朝霧に 島隠れゆく 舟をしぞ思ふ  (読み人知らず)
(かすかに明るくなってゆく明石の浦の朝霧の中で、島の影の中に消えてゆく舟のことを思う。)

さくら花 散りかひくもれ 老いらくの 来むといふなる 道まがふがに (在原業平)
(桜花よ、散り交い曇れ、老いというものが来るという、その道がまぎれてわからなくなるほどに。)

泣く涙 雨と降らなむ 渡り川 水まさりなば 帰りくるがに   (小野篁)
(泣く涙は雨と降って欲しい、それで「渡り川」の水が増されば帰ってくるだろうに。)



覚えておくと良いこと

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