新古今和歌集
新古今和歌集とは?
8番目の勅撰和歌集。後鳥羽院の命により源通具・藤原有家・藤原定家・藤原家隆・藤原雅経・寂蓮らが撰進。歌数約1980首。幽玄・妖艶の情趣を表現。

春の夜の 夢の浮橋 とだえして 峰に別るる 横雲の空   (藤原定家)
(春の夜の浮橋のように短くて儚い夢がふと途切れて、さめやらない気持ちで見た峰から離れていこうとしている横に細くたなびきたる雲がある明け方の空であるよ。)

風通ふ 寝覚めの袖の 花の香に かをる枕の 春の夜の夢   (藤原俊成女)
(風が吹き通って目覚めた私の袖は花の香りでかおり、同じ香りでかおる枕で見た春の夜の夢よ。)

心なき 身にもあはれは 知られけり 鴫立つ沢の 秋の夕暮れ   (西行)
(物の情趣も分からない私にも、しみじみとした情趣は自然と感じられることだなぁ。鴫が飛び立つ沢の秋の夕暮れよ。)

志賀の浦や 遠ざかりゆく 波間より 凍りて出づる 有明の月   (藤原家隆)
(志賀の浦よ。岸から沖の方へと遠ざかっていく波の間から、凍りついたような光を放って出てきた有明の月よ。)

玉の緒よ 絶えなば絶えね 長らへば 忍ぶることの 弱りもぞする(式子内親王)

(私の命よ。絶えてしまうのならば絶えてしまえ。もし生き長らえるのならば恋心を忍ぶことの力が弱って人に知られてしまうといけないから。)

思ひあまり そなたの空を ながむれば 霞を分けて 春雨ぞ降る  (藤原俊成)

((歌人が)恋しい思いに耐え兼ねて恋する人の方の空を眺めると立ち込めた霞を分けて春雨が降っている。)


覚えておくと良いこと
横雲の空
切れ字
体言止め
縁語
二句切れ
係り結び
三夕の歌

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