三角形と比・三角形の五心
Point1 基礎事項
三角形と比
(1)                  (2)
 
上の図(1)の△ABCにおいて、次のようなことが成り立つ。
[1] DE//BC⇒AD:AB=AE:AC=DE:BC
[2] AD:DB=AE:EC
   これらの逆も常に成り立つ
この定理は図(2)のような図形でも成り立つ。

中点連結定理

上の図の△ABCにおいて、AM=MB、AN=NCならば、
[1] MN//BC
[2] MN=1/2BC

Point2 例題
(1)△ABCの辺AB、AC上に、それぞれ頂点と異なる任意の点D、Eをとる。DからBEに平行に、また、EからCDにに平行に直線を引き、AC、ABとの交点をそれぞれF、Gとすると、GFはBCに平行であることを証明せよ。

(2)△ABCの辺BC上の点Pについて、AB:AC=BP:PCが成り立つならばAPは∠Aの二等分線である……(*)
四角形ABCDの2つの内角∠A、∠Cの二等分線の交点が、対角線BD上にあるならば、2つの内角∠B、∠Dの二等分線の交点も対角線AC上にあるということを、(*)を使って証明せよ。

Point3 解答
(1)△ABEにおいて、DF//BEであるから AD/AB=AF/AE…@
 △ADCにおいて、GE//DCであるから AG/AD=AE/AC…A
 @とAの辺々をかけると AD/AB・AG/AD=AF/AE・AE/AC
 ∴AG/AB=AF/AC
 よって GF//BC

(2)∠A、∠Cの二等分線の交点をE、∠Bの二等分線とACの交点をFとすると、
 AE、CEがそれぞれ、∠A、∠Cの二等分線であることから
 △ABDにおいて AB/AD=BE/DE、△BCDにおいて BC/CD=BE/DE
 ∴ AB/AD=BC/CD から AB/BC=AD/CD…@
 BFが∠Bの二等分線であることから AF/CF=BA/BC
 よって、@から AF/CF=AD/CD
 したがって、(*)よりFDは∠Dの二等分線である。
 ゆえに、結論が成り立つ。

Point1 基礎事項
重心

三角形の3つの中線は1点で交わり、その点は各中線を2:1に内分する

外心

三角形の3辺の垂直二等分線は1点で交わり、その点を中心として外接円がかける

内心

三角形の3つの内角の二等分線は1点で交わり、その点を中心として内接円がかける

垂心

三角形の各頂点から対辺またはその延長に下ろした垂線は1点で交わる
(証明)

上図の△ABCにおいて、各頂点を通り、対辺に平行な線分を引き、△PQRを作る。
 このとき、Aは辺QRの中点で、ADは辺QRの垂線である。
 同様に、Bは辺PRの中点で、BEは辺PRの垂線である。
 よって、垂線AD、BEの交点Hは、△PQRの外接円の中心である。
 したがって、辺PQの垂直二等分線CFは、点Hを通る。

傍心

三角形の1辺と残りの2辺の延長上で接する円を傍接円といい、その中心を傍心という→△ABCの∠Aの角の二等分線と、∠B、∠Cの外角(辺BCに対して、点Aと反対側に取る)の2等分線は一点で交わる。
(証明)
方針→∠Bの外角の二等分線と、∠Cの外角の二等分線の交点Jを考える。
点Jから、BC,CA,ABにおろした垂線の足を、D,E,Fとする。
内心の時と同様に、JF=JD および、JD=JE より、
 JF=JE…@
となり、△JAFと△JAEにおいて、
 JF=JE…@
 ∠AFJ=∠AEJ=90°…A
 斜辺は共通…B
@ABより、△JAFと△JAEは合同であり、AJは∠BACの二等分線となる。
以上より、∠Aの二等分線と、∠B、∠Cの外角の二等分線は一点Jで交わる。

Point2 例題
△ABCの外心をO、垂心をHとし、Oから辺BCに下ろした垂線をOMとすると、
AH=2OMであることを証明せよ。

(1) △ABCの辺AB、AC上にそれぞれ頂点と異なる点D、Eをとるとき
△ADE/△ABC=AD/AB・AE/ACが成り立つ事を証明せよ。

(2) △ABCの辺BC、CA、ABを3:2に内分する点をそれぞれD、E、Fとする。△ABCと△DEFの面積比を求めよ。

Point3 解答

△ABCの外接円と直線OCとの交点をDとすると、Mは辺BCの中点、Oは線分DCの中点であるから、中点連結定理より   DB=2OM…@
線分CDは外接円の直径であるから DB⊥BC、AH⊥BCより   DB//AH
DA⊥AC、BH⊥ACより   DA//BH
∴四角形ADBHは平行四辺形である。
よって   AH=DB…A
@Aより   AH=2OM

(1)

2点C、Dを結ぶ。
△ADEと△ADCは底辺AE、ACからの高さが等しいから
△ADE/△ADC=AE/AC…@
△ADCと△ABCは底辺AD、ABからの高さが等しいから
△ADC/△ABC=AD/AB…A
@、Aの辺ぺんをかけると   AE/AC・AD/AB
∴△ADE/△ADC・△ADC/△ABC=AD/AB・AE/AC

(2)

(1)より △AFE/△ABC=AF/AB・AE/AC=(3/5)・(2/5)=6/25
△BDF/△ABC=6/25
△CED/△ABC=6/25
ここで △DEF=△ABC−△AFE−△BDF−△CED
両辺を△ABCで割ると
△DEF/△ABC=1−6/25−6/25−6/25=7/25
∴△ABC:△DEF=25:7

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