失われた両腕
「両腕を失って」いること
(「美術作品の運命」、制作者の意図などから独立した側面を持つこと)
(例)
物体として存在し、壊れたり劣化したりする可能性を潜在させている。
P122 l1
ミロのヴィーナスの「魅惑」の要因
→「両腕を失って」いること。
P122 l8
「生ぐさい」とはどういうことか
→現実的すぎて、作品の美術性と共存させにくい具体的側面について、マイナスの評価を表したい。
P123 l1
「よりよく国境を渡って…時代を超えていく」…腕が失われることで具わったもの
→腕の持つ象徴性によって、地域や時代による各文化の差から生じる評価の不安定さを持つ可能性があったが、腕が失われたことで文化による限定を受けない普遍的(P123「普遍」「全体性」)な美を得ることができた。

象徴…ハト→平和の象徴
 →関係を見出し得る
P123 l2
「巧まざる」…意図していない、あえてではない。
(「巧む」…意図的にする、人工的にやる、手をかける)

l2
「特殊」…個別
具体⇔「普遍」一般、抽象

l3
「具象」…特定の表現対象を持つもの。また、その対象。
(「具象画」⇔「抽象画」)

l5
「弄する」…もてあそぶ、ばかにしたようにする。
ヴィーナス像の(美しさへと結びつく)特徴。
〜l9:具体的特徴
l10〜:抽象的特徴(「雰囲気」「可能性」「暗示」)
P124 l1
「復元案」についての筆者の考え
→l3 客観的に推定でき、「試みは正当」である。
  l4「困惑は勝手なもの」
 →l5(しかし)「もはや…感動することは…できない」(その要因)→l7
l7
「量の変化ではなくて、質の変化である…表現の次元そのものがすでに異なってしまっている」
→ある基準(ここでは視覚空間における位置の占め方など)内でのあり方の差ではなく、その「基準」など抽象的側面自体のあり方(ここでは「可能性」の有無など)の差が問題となること。

P125
「復元案」や「原形」を「否認」する筆者の観点の表明。
→l6「芸術というものの名において」
P125 l8
「失われているものが両腕以外…であってはならない」ことの理由。
→l15「腕…、手というものの人間存在における象徴的な意味」が作品の芸術性に関わっているから。

P125 l16
「…(手の)人間存在における象徴的な意味」
→P126 l2「世界…他人…自己との…交渉の手段」「関係を媒介する…原則的な方式」
(社会性やコミュニケーションの能力を手が暗示する。)
P126 l2
「実体と象徴のある程度の合致」
→手(腕)そのものの現実的な特徴と、その象徴する内容との間にある程度重なる部分が考えられる。(「交渉」「媒介」は、手の象徴する概念であると同時に、実際に手が持つ機能でもある。「実態と象徴内容との関連性。」)
P126 l9
「アイロニー」
ここでは、明示された内容とは別の(反対の)ものを伝える表現ということ。
「欠落によって、逆に、可能性を伝え得ている」

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