マルジャーナの知恵
P185 l1
「高度情報社会」「脱工業化社会」「ポスト産業資本主義」
(「それをどのように呼ぼうと…」…同じ社会構造について別の観点から述べたもの)
産業資本…物の生産過程に関わる手段(労働など)へのコストを利益から差し引き、        次の生産の元手とされる資本。
同じ社会構造…l5「『情報』そのものを商品化する産業」への、資本主義の価値観の           移行。

「モノを生産」…「蹴飛ばせば足が痛い」→物質的実体を本質とするもの。

筆者は、この「情報の商品化」という現象そのものについて述べるのではなく、その現象の資本主義社会(の本質)の解説への示唆について考えるのを本文の主題としている。
P187 l3
「首尾」…はじめとおわり、はじめからおわり→経過、なりゆき→処理、手際
l9〜
マルジャーナのエピソードを、本文の主旨と結びつきで論じている。
…筆者はマルジャーナを情報の本質を理解した「最初の」人物とし、その応用のしかた から、その「本質」を読み取れることを示している。
情報の本質…P188 l5「ほかとの違い、すなわち『差異』」
P188 l10〜
「資本主義」という経済機構のあり方
(目的)「資本の増殖」←「利潤」を要求←「差異から生まれる」
…資本主義は、l13「二つの異なった価値体系のあいだの差異を媒介することによって  」成り立つ。
P189
資本主義の歴史的な構造変化(その前提条件である「差異」のとり方)
…l2「外部的な関係」や「隠された構造」からの差異に基づいてきた。
 (「外部的」はここでは「対外的」ということ。「隠された」とは「意識されない、後で気づ   かされる」ということ。)
l5
「商業資本主義」
「遠隔地」との、価値体系の差異を利用している。

l10
「産業資本主義」
「過剰人口」による、生産性と労働の価値との差異を利用している。

P190 l2
(近代までのこれらの「差異」の要素は、現代社会では解消される)
「近代までの差異」
遠隔地/過剰人口
によって生み出される「外部的」で「隠された」差異による価値体系

(現代)「遠隔地」は交通・通信の発達により解消され、「過剰人口」は都市化によって治まっていく。
(見出される、与えられる形での差異が限界に達する)
自ら意識して創り出す差異が要求される、…「情報」(現代の資本主義の特徴としての「情報の商品化」の要因)
(「差異」を本質とする「情報」を積極的に資本主義の機軸に据える。
…l8「差異が利潤を創り出すという資本主義の基本原理そのものを体現」)

本文中「情報」とはニュースなど新しい知識という据え方より、価値の説明と取る方がわかりやすい。
例)広告、パッケージ、ライフスタイルのバラエティなど
情報の商品化とは、資本主義が現代においてとるひとつの特化した形ではなく、むしろ資本主義の基本原理を体現した典型的・純粋なあり方と考えることができる。

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