気球とタービンで熱力学
熱力学とは、熱、仕事、化学エネルギーなどを中心とするエネルギーが関与する系の物理現象と法則、また、それらにかかわる物質の状態や性質などを論ずる学問分野である。
[A]熱気球を上げよう
1.熱気球にはたらく3つの力を図示しなさい。(図示は以下の事を参考にして下さい)
F1…熱気球本体にはたらく重力
F2…熱気球内の空気にはたらく重力
F3…浮力
2.熱気球が浮く条件をF1,F2、F3を用いた不等式で表しなさい。
F3>F1+F2
3.熱気球内の空気が何℃になれば熱気球が上昇するのかを気体の状態方程式から求めなさい。
(1)大気圧P=1.0[atm]、ポリ袋の体積V=70[l]、気体定数R=0.082[atm・l/mol・K]、空気の平均分子量M=28.8[g/mol]、室温T=288[K]……その日の温度を代入して、熱気球の体積分の空気の質量W[g]を求めなさい。
PV=W/M×RTより、W=PVM/RT=85.3...≒85[g]
よって、気球系が空気から受ける浮力F3=85[g重]となる。
(2)ポリ袋など熱気球本体にはたらく重力をはかりで測定しなさい。
F1=20 20[g重]
(3)2の不等式にF1,F3を代入してF2についての不等式を求めなさい。
85>20+x x<65 F2<65[g重]
(4)F2の質量をW[g]として、気体の状態方程式より熱気球が上昇するときの気球内の理論的な温度T[K]を求めなさい。
PV=W/M×RTより、T=PVM/WR=378≒380[K]
(5)(4)の絶対温度T[K]をセ氏温度t[℃]に換算し、実際の測定値と比較をしなさい。t[℃]=T[K]-273
理論温度=380-273=107[℃] 実際温度=100[℃]
(6)上の2つの温度が一致しないとき、その理由を考察しなさい。
・手を放すタイミングが違う
・袋の中の温度が均一でない
▼研究課題
(1) 1 (2) 1 (3) 2
[B]蒸気タービンを回そう
1.蒸気タービンの腕の長さと回転数の関係をまとめなさい。
番号 |
5 | 4 | 3 |
腕の長さ [cm] |
7.5 | 15.5 | 13.0 |
回転数 [rpm] |
78 | 33 | 60 |
2.蒸気タービンが回転する原理を説明しなさい。
→蒸気が2つの管から出るときの反動力で動く。
3.腕の長さと回転数にはどのような関係があると考えられますか。(単純に比例といえますか?)
→腕の長さが抵抗となって回転数が減っている。グラフで考えると曲線となり比例していない。
4.より高速でなめらかな回転をさせるためにはどのような改良・工夫をすればよいと思いますか。
→パイプの出口を極端に狭くする(ベルヌーイの定理)。
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