インドの古典文明
Point1 大まかな流れを覚えよう!
インドの古代文明
 そもそも、南アジアとは現在のインド・パキスタン・スリランカ・バングラデシュ・ネパール・ブータン・モルジブ地域を指します。つまりそこは世界最高峰のヒマラヤ山脈からインド洋沿岸部までの地域が含まれています。

インダス文明…前2300〜前1800年ごろ
@代表的遺跡…インダス川(上流域<パンジャーブ地方>のハラッパー
            (下流域<シンド地方>のモヘンジョ=ダロ
A文明の担い手…不明だが、ドラヴィダ人説が有力。
B特色…インダス文明にはメソポタミア文明の影響がみられる。都市計画、
    上下水道などをもつ都市文明。青銅器、象形文字のインダス文字
    (未解読)。大麦や小麦などの栽培、水牛、羊、象の飼育など。
C滅亡…アーリヤ人の侵入、洪水などが原因と考えられている。

アーリヤ人のインド侵入…前1500年ごろ
@※アーリヤ人…インド=ヨーロッパ語族。中央アジアで半農半牧の生活。
A移動…前2000年ごろ移動開始→前1500年ごろパンジャーブ地方(インダス
    川上流)に進出、定着。ラージャ(王の意)が部族を統率。牛を神聖
    視。前1000年ごろ、ガンジス川流域に進出、諸小王朝を建てる。
    商工業が発達し、貨幣経済発展。
B定着時の生活…大家族主義の部族制、鉄器文明をもつ。

バラモン教の成立とカースト制度
@バラモン教の成立…アーリヤ人は自然への信仰をもとに神々への讃歌や儀
    礼を述べたヴェーダ(バラモン教の聖典)をつくった。バラモン教は
    これらの神々の信仰をもとに成立。→多神教
A※カースト制の形成…上下の身分の区別。職業的・宗教的な身分制度。4
    つの種姓(※ヴァルナ=色を意味する)が基本。
  バラモン(司祭者、神官)   クシャトリヤ(王、貴族)
  ヴァイシャ(庶民<商・工民>) シュードラ(奴隷)
バラモン、クシャトリヤ、ヴァイシャは白人=再生族
シュードラは黒人=一生族
人数的割合としては、バラモン<クシャトリヤ<ヴァイシャ<シュードラ
 (宗教上のタブー)
結婚は、同じ階級、又は男が上位階級なら可能
↓もしもこれを破った場合…↓
→※不可触民(untouchable)…パリア。不浄とされる職業に従事する。
             ヴァルナ制の枠の外におかれる被差別民。

◎バラモン教のおしえ
 あの世=転生する
天上界にいくために祭りをする→バラモンは祭りの仕方を知っている。
強力な神はなく、多神教。ヴァルナ制維持。

古代統一国家の形成
(古代王朝)
マウリヤ朝…前317?〜前180?
インド最古の統一国家。首都はパータリプトラ(現在のパトナ)。
@建国…前4世紀末、アレクサンドロス大王遠征後の西北インドの混乱に
    乗じ、チャンドラグプタがマガダ国ナンダ朝を滅ぼし建国。
A全盛期…アショーカ王の治世。南インドを覗く全土を統一。
    仏教を保護。仏教経典の整理統一事業→仏典結集を援助。
    布教→石柱碑
B滅亡…アショーカ王没後衰退。前180ごろ滅亡。
↓     ↓     ↓     ↓
クシャーナ朝…1c〜3c
1世紀ごろにおこる。首都はプルシャプラ。
@建国…バクトリア地方のイラン系クシャーナ族が大月氏より自律し、
   西北インドに侵入して建国。
A全盛期…カニシカ王の時代。ローマとの交易が盛ん(ギリシアの影響)。
   領土…西はパルティア東は後漢に接する。
   仏教保護…根本分裂(大乗<信仰>と小乗<修行>仏教)
   ガンダーラ仏、美術…ヘレニズム文化の影響。
B滅亡…3世紀、ササン朝に滅ぼされる。
↓     ↓     ↓     ↓
グプタ朝…320?〜550?
320年ごろ、チャンドラグプタ1世が北インドを統一。
@全盛期…チャンドラグプタ2世の時代。インド古典文化の黄金時代。
A※ヒンドゥー教の成立…バラモン教やその他の民間信仰を基に形成。
   グプタ様式の仏像(純インド式)
B自然科学の発達…数学(0の発見、十進法、円周率)、医学、天文学。
C滅亡…中央アジアの遊牧民族エフタルの侵入で衰退、滅亡。
↓     ↓     ↓     ↓
ヴァルダナ朝…606〜647
ハルシャ=ヴァルダナ(戒日王)が一時北インドを統一。
ヒンドゥー教、仏教の保護。玄奘が来日。
ガンジス川上流のカーニャクブジャ中心。

イスラーム教徒の侵入
偶像崇拝の禁止→ヒンドゥー教寺院破壊
デリー=スルタン朝→ムガル帝国へ(イスラーム教)

(ムガル帝国)1526〜1858
バーブル(初代)…北インドに侵入。
↓
アクバル(3代)…帝国の基礎を築く。
↓      ヒンドゥー教徒と融和策。→人頭税の廃止
↓      シク教の成立…開祖ナーナク(ヒンドゥー教とイスラーム教
↓      の融合。カーストの別無く解脱することが出来る。
↓
シャー=ジャハーン(5代)…タージ=マハルを建立。
↓
アウラングゼーブ(7代)…勢力を拡大→帝国の領土が最大。
↓    熱心なイスラーム教徒→ヒンドゥー教徒に対する人頭税を復活
↓               ヒンドゥー教国と対立
↓
帝の死後、帝国は急速に解体されていく。

Point2 用語集
アーリア人…インド-ヨーロッパ語族のうち、インド及びイランに定住した
      支族。白人で鉄器を使う騎馬軍団

Page Top



br→
main_box